第15章 2回目の観覧車
試験前。
私は自分の部屋の机に向かって真面目に勉強する。
ブルッ
机に置いてたスマホが震える。
LINEの着信。
メッセージ画面を開く。
『何してた?』
村上くんだ。
「勉強だよ」
私はすぐに返信する。
『僕もです。10分くらい、ここで話しても平気?』
「うん! 話したい」
私は本当は電話で話したいなぁと思うけど、今日は我慢する。
勉強のこととかテレビの話とか話す。
たいした話じゃないけど、だからかな?
落ち着くし楽しい。
『そろそろ時間かな?』
「そうだね。おやすみ…じゃなくてもうちょっと勉強しなきゃ」
『無理しないでくださいね』
「ううん。春休み、心置きなく遊びたいし」
『あ…春休みは僕、春期講習いれたので、そんなに遊びに行けないかもしれません』
「そっか」
…
LINEを終えて、画面を閉じる。
そっか、春休みはあんまり遊べないのか。
雅樹くん、どこの予備校行くのかな? 私も…って、多分…
私とあまり会わないようにするために春期講習いれたんだろうな。
……。
なんでそんなことになるのかは、私にはよくわかんないけど。