第13章 どんな子が好き?
放課後、図書室で勉強する。
図書室なら集中出来て、苦手な数学もわかるようになるかと思ったけど、やっぱりわからないものはわからない。
こうなったら得意の英語を伸ばして、彼にすごいって思ってもらおうかな…
って、前の試験で英語が一番悪かったんだ、私。
もうなんか自信なくなってきた、何もかも。
はぁ…。
「勉強ですか? 優子さん」
「あ…雅樹くん」
声をかけられて顔を上げると、雅樹くんがニッコリ笑ってた。
「うん…。図書室でやればわかるようになるかなぁと思ったけど、やっぱりわからなくて…途方にくれてた。雅樹くんは? 部活?」
「はい、そうです。どの辺りがわからないんですか? ふむふむ、なるほど。優子さんはやっぱりこういうのが苦手なんですね」
私のノートを見て、彼がクスッと笑う。
うわぁ、バカがばれてる…。
「僕はもう用事が終わるので、一緒に勉強しましょうか。部室に荷物を取りにいってきますね」
…
結局、雅樹くんに教えてもらった。
すごくわかりやすかった。
さっさと聞けばよかった。
はぁ…
「疲れましたか? 温かいミルクティーでも買って飲みましょうか」
勉強道具を片付けながらため息をつく私に、彼が提案する。
「うん、そうだね」
私は笑顔で頷く。
バカだなぁって思われたかもしれないけど、やっぱり一緒に勉強するのが楽しい。