第13章 どんな子が好き?
焼け具合もイマイチだった。
焦げたり、割れたり…
ていうか、ハートが割れるとか最悪なんですけど!
なんとか綺麗に出来たのは2枚だけ。
…
「おはよう、雅樹くん」
「おはようございます、優子さん」
私たちは朝の教室でいつものように挨拶する。
「あの、これ…。クッキー作ったの。ひとりで作るの初めてでイマイチだと思うけど、せっかくだからもらって」
私はラッピングしたクッキーを渡す。
「え? 優子さんが焼いたんですか? わぁ…感激です。
…なんだか中身に対して袋が大きくないですか?」
「う…ん。本当はその袋いっぱいに詰めるつもりだったんだけど、綺麗に焼けたのがそれだけしかなくて。あ、味は大丈夫だよ。なんていうか…普通?」
「そうなんですか。嬉しいです。食べるのが楽しみだなぁ」
彼が嬉しそうにニコニコする。
とりあえず、ちょっとは喜んでもらえたかな…?
…
今日も苦手な数学の授業。
やっぱり難しい…
でも真面目に勉強しなきゃ。
雅樹くんは真面目な女の子が好きなんだもん。
……。
でもやっぱりわかんない。
今のうちに誰かに教えてもらったほうがいいかな。
私のまわりで一番数学出来るのは雅樹くん…。
雅樹くんに好かれたくて勉強出来るようになりたいんだけどなぁ…。