第2章 大丈夫
そっと唇が離される。
えっと、こんなときどんな顔したらいいのかな…私はうつむく。
「あの…優子さん…」
彼が私の頬に手を触れる。
「う…ん…?」
私はおそるおそる顔を上げる。
でも彼の目を見るのは恥ずかしい。
「ディープキスしていいですか?」
彼が私に問いかける。
「…えっ」
私はちょっとビックリする。
「あ…ごめんなさい。ダメですよね…」
彼が慌てて身体を離そうとする。
私は彼の腕をぎゅっとつかむ。
今度は彼が少し驚く。
「あ、ううん。ダメじゃない…。ちょっとビックリしただけ…」
「ビックリ…? どうして?」
「村上くん…えっと、雅樹くん、そんなこと言うんだって…」
「あの…僕も男なんです…。失望させてしまいましたか?」
彼が心配そうに私の顔を覗く。
「う、ううん。全然大丈夫。私、雅樹くんのこと…好きだから。
私も…そういうの…してみたい…んっ…」
言い終わらないうちに、彼の唇が私の唇を塞ぐ。
どうしよう…雅樹くん、急に積極的に…
イヤじゃないけど…私、ドキドキしちゃって…どうしよう…。