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結婚するまで sex しません

第9章 もう一回


冬休みもそろそろ終わる頃、彼が家に遊びにきた。

「どうぞ、雅樹くん」

「お邪魔します」

そういえば、前に部屋に来たときは村上くんって呼んでたかも。

「あれ? このプリクラ、前は貼ってなかったですよね?」

学習机の棚に貼ったプリクラを見つけて、彼が尋ねる。

「うん。雅樹くんの真似して貼ったの。勉強頑張れるように、ふふっ」

「ふふ、なんだか少し恥ずかしいような…でも嬉しいですね」

彼が照れくさそうに笑う。

「座ろうか。あ、何か飲み物持ってこようか」

私もちょっと恥ずかしくなって話をそらす。

「いえ、お構いなく」

「そう? じゃあこのままおしゃべりしよっか」

彼の言葉に甘えて、とりあえずベッドに腰掛ける。

並んで座った彼が、ヒザの上に置いた私の手を握る。

彼の顔を見上げると、彼は優しく微笑む。

「前にこの部屋に来たとき…結婚の約束をしましたね」

「うん…それとファーストキス」

改めて思い出すと、顔が熱くなる。
私はうつむく。

「優子さん…」

彼が私の頬に手を触れる。そーっと。

そう、あの日もこんなふうに。

私は顔を上げて彼の目を見つめる。

彼がそっと私の唇にキスする。

…うれしい。

「あの、優子さん。今日はどうしましょうか。えっと…いいですか?」

彼が私のニットの裾をいじりながら尋ねる。

「あの…えっと…。今日生理なの。ごめんね」

「あっ…。そうなんですね…。
あっはい、わかりました。そうなんですか。あの、謝ることないですよ。仕方ない…というか、むしろお疲れ様です」

あからさまにがっかりしたのを隠すみたいに彼がペラペラ話す。

「ははは…。飲み物持ってくるね」

私は立ち上がって部屋を出る。

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