第9章 もう一回
期末試験が終われば、あっという間に冬休み。
クリスマスは、雅樹くんといつものショッピングモールでデート。
ドーナツ屋さんでクリスマスっぽいデコレーションのドーナツ食べて、夕方イルミネーションを見た。
「そろそろ帰らなきゃ。ほら、お母さんがクリスマスケーキの写メ送ってきた。早く帰って来いって言いたいんだよ」
私は笑いながら、写メを彼に見せる。
「またケーキを食べるんですか? 優子さん」
彼も笑う。
「またって何? さっき食べたのはドーナツだよ?」
「なるほど…。そんな抜け穴が…」
私たちは手を繋いで、暗くなったばかりの街から帰る。
結婚したら、こんな夜もずっと一緒にいられるんだね。
…
お正月は彼と一緒に初詣。
「何かお願いしましたか?」
お参りの後、彼に尋ねられる。
「うん。大学受験に向けてしっかり勉強出来ますように、って」
それと、雅樹くんがずっと私を好きでいてくれますように。
私は前半だけ答える。
「もう3年生ですもんね。早いものです。優子さん、志望校は変わってないですか?」
「うん。雅樹くんも同じ?」
「えぇ。一緒に頑張りましょう」
「うん!」
実は、私と彼は志望校が同じ。
雅樹くんと楽しいキャンパスライフを過ごすために、今年一年頑張らなきゃ!