第8章 寒い?
彼が持ってきてくれた紅茶を飲む。
あったかくて美味しい。
「美味しい」
私は彼の顔を見て微笑む。
「そうですね。今日は寒いですから…。あ、あの、もし寒かったら布団に入って休んでもらっても大丈夫ですよ?」
「え? ううん、大丈夫。紅茶飲んで身体温まったから」
「ですよね…」
私の答えに、彼がなんだか少しがっかりする。
「そうだ。雅樹くんの答案用紙見せてもらっていい? 模範解答の確認したい」
「あ、はい。もちろんいいですよ。模範解答はちょっと言い過ぎですけど…答え合わせのメモも取ってあるので参考にして下さい」
私は彼の答案用紙を参考に、自分の答案用紙にメモを書き加える。
彼は教科書読んだり、ときどきスマホをチェックしたりしてる。
いつもより、なんだか少し落ち着かないみたい。
まあ2学期ももう終わりだし勉強は一段落してるもんね。
雅樹くんなら復習は、その都度小まめにしてるだろうし。
…
「出来た。ありがとう」
「いえいえ。疲れたんじゃないですか? ベッドで休みますか?」
「え? あ、ううん、大丈夫。ふふっ」
「あ、あの、優子さん」
彼が私を、ふわっと抱きしめる。