第7章 だめ
彼の提案とは…
「期末試験の全科目85点以上を目標に。その目標を達成しなければ、次の試験でそれを達成するまで、キス以上のことをしない」
ということだった。
「そんな…厳しすぎるよ…」
私は反論した。
「中間で出来たんだから、期末もいつも通り頑張れば出来るはずです。遅れた分、いつも以上にちょっと頑張って、ね」
「うん…」
私は頷いた。
これ以上、彼にガッカリされたくないから。
でも、正直言って自信がない。
でも、頑張るしかない。
私は自分の部屋の学習机に向かう。
……。
問題は数学だ。
中間ではたまたま86点取れたけど、私は数学が苦手。
頑張らないと…。
…
テスト一週間前になった。
部活がないから彼と一緒に下校するけど、まっすぐ自分の家に帰って勉強する。
ときどき10分だけ、とか時間決めて、LINEや電話で話す。
テスト勉強の進み具合とか、難しい箇所の愚痴とか、彼に話すと頭の中が整理されていく気がする。
もともと私は勉強が嫌いじゃない。
彼と話をすると、それを思い出させてくれる。
たまたま、たまたま彼に夢中になり過ぎちゃっただけ。
もちろん今も夢中だけど…
彼と勉強の話をするのは楽しいし、成績優秀な彼に少しでも釣り合うように…と思うと、勉強をもっとしたくなる。