第7章 だめ
「優子さんが可愛くて…つい…僕が、ついいろいろなことをしてしまったせいで。
でもやっぱり僕たちはまだ高校生です。勉強すべきときにはしないといけません。
優子さんには女子アナになるという夢があるんですから。そのためにも頑張るときは頑張らないと」
彼が優しく微笑む。
女子アナなんて…
本当になれると思ってないよ。
真面目な夢を語ったら、真面目な雅樹くんの気をひけるかなって、おおげさに語っただけ。
私が今なりたいのは雅樹くんのお嫁さん。
もともと私は調子が良くて流されやすいダメな人間なんだ…。
また涙がぶり返してくる。
「大丈夫…大丈夫ですよ。これからまた頑張りましょう。優子さんならきっと出来ます」
彼が私の手をとり、ぎゅっと握ってくれる。
優しくて熱い手…うれしい
「今から…期末試験までは2人きりで会わないようにしましょう。
やっぱり僕も…こんなふうに2人きりで部屋にいると、ずっと冷静でいる自信がありません…」
さびしい…けど、仕方ないのかな…
私は小さく頷く。
彼はニッコリ微笑む。優しく。
「それと、試験を頑張るためにもうひとつ提案があります」