第8章 文化祭~開幕~
5人が体育館を訪れると、バスケットゴールの下で日向とリコが店番をしていた。
近くで伊月がダジャレ交じりに客引きをしている。
さまざまな景品を並べ、スリーポイントラインから5本中ゴールを決めた回数によって品物を選べるという。
「先輩!お疲れ様です」
「おー桜か。メイド喫茶で評判らしいじゃねーかー」
「いらっしゃい桜。噂、聞いたわよー」
2人は桜をからかう。
「やめてくださいよ先輩。それより、このぬいぐるみ可愛いですね!」
桜は苦笑いで話を逸らそうと景品の小さなぬいぐるみを手にした。
「おー。それなら1本でも入ればやるぞ」
そう言われ、ゴールとスリーポイントラインを交互に見る桜。
「ううー あんな遠くから無理ですー」
諦めてぬいぐるみを元に戻す。
「桜っち!俺がプレゼントするっすよ!」
置いてあったボールを持って爽やかに笑う黄瀬。
「黄瀬君は入って当たり前じゃない」
呆れて笑う桜。
「そうだよ!お前らは遠慮しろ。・・・あ、黒子は別か」
日向も呆れて口を挟む。
「よし!やってみる!」
ぬいぐるみが諦め切れなかったのか、
桜は黄瀬からボールを受け取りスリーポイントラインに立った。