第7章 文化祭~準備期間~
「え?高尾君?・・・1人?」
「お久しぶりです」
黒子は猫耳のまま頭を下げた。
「いや、それ取ろーぜ。てか、今日は俺1人。何やってんの?」
冷ややかに猫耳を指摘する。
「文化祭の買出しだよ。2人で来たの」
桜は、黒子の猫耳を取ってあげると、自分につけて笑って見せた。
「・・・いや、可愛すぎるからやめよーぜ」
高尾はそっと手を伸ばして猫耳を取ると、元の位置に戻した。
「で、文化祭っていつやんの?」
「来週の日曜日です」
猫耳を名残惜しそうに見ている桜の代わりに黒子が答える。
「それってさー俺らも入れんの?」
「あ、うん。土曜日は生徒だけなんだけど、日曜日は一般公開だよ」
今度は、魔女風の大きな帽子を被って楽しそうにしている桜。
「じゃあさー真ちゃんと遊びに行こうかな。てか、真ちゃんは知ってるんだろ?」
緑間の名前が出たとたん、桜の顔が真っ赤になる。
すかさず帽子をふかぶかと被り顔を隠す。
「うん。メールしたんだけど「部活が休みだったら」って返って来ただけ」
「あはは!日曜は大抵部活休みだよ!」
高尾は、ぽんぽんと桜の肩を叩きながら笑った。
「それに、最近の真ちゃん元気なくてさーこっちまで調子狂うぜ」
「そうなんですか。それは気持ち悪いですね」
中学時代の緑間を知っている黒子は、意外と容赦ない言い方をする。
「そっか・・・元気ないんだ・・・」
桜は呟いた。
高尾は、にやっと笑うと、
「じゃ、来週の日曜さー真ちゃんと遊びに行くからよろしくな!」
そう言うと、ひらひらと手を振りながら行ってしまった。
「僕たちも、さっさと買い物して帰りましょう」
黒子に促され、真面目に衣装選びを始める桜だった。