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【黒バス】真夏の海から

第1章 海合宿


桜は、ゆっくりと歩いていく彼の背中をしばらく見つめていたが、再び視線を海に戻した。
「ねぇ彼女!彼氏にふられちゃったのー?」
「え?!」
背後から軽い口調で話しかけられ、振り返ると3人の男が桜を取り囲むように立っていた。
「君、可愛いねー。俺らと一緒に遊ばない?」
明るい茶髪にタンクトップといったラフな装いの3人組みは、ニヤニヤと笑いながら桜をナンパし始めた。
「さっきの無愛想な奴、行っちゃったじゃん。可哀想ー」
「だからさ、俺らと一緒に来なよ」
桜が反論する暇もないほど3人組みはぺらぺらとしゃべり、挙句の果てに
その中の一人が手を伸ばし桜の腕をつかもうとした瞬間、その腕をつかみひねり上げた人物がいた。
「いてててて!」
「何をしているのだよ」
そこに立っていたのは、立ち去ったはずの人物だった。
彼は、腕をつかんだまま男を桜から引き離した。
男は、後ずさりした勢いでそのまま尻餅をついた。
「お、おい、大丈夫か?」
後の2人がその1人に駆け寄る。
「てめぇ!」
食って掛かろうとする3人を一睨みする。
彼の長身と体格からかなわないと判断したのか、お決まりの捨て台詞を吐いて足早に去っていった。
桜は困惑した様子で静かに堤防から下りると、
「あ、ありがとう・・・助かりました」と頭を下げた。
そんな桜の手首をそっとつかむと、有無を言わせず彼は黙って歩き出した。
「宿に戻るのだよ」
「・・・はい」
小さく返事をすると、促されるまま帰路を共にした。
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