第6章 星空の下で
翌日も快晴。
桜は朝から食事の支度や雑用を手際よくこなしていく。
昨日より早く練習が終わり、夕食の後片付けが終わってからリコと一緒にお風呂に入ることにした。
普段より長風呂で少しのぼせ気味になってしまった桜だが、軽く髪を乾かすとテントに戻った。
「わ、もうこんな時間だ。緑間君のこと待たせちゃう」
慌ててテントから飛び出し、昨夜会った辺りまで走り出そうとした時、ふと声をかけられた。
「何をそんなに慌てているのだよ」
「え?!」
振り向くとそこには緑間が立っていた。
「え?何で??」
「また、1人で暗がりを歩かれたら心配なのだよ」
そっぽを向いて言う緑間だが、桜には鼓動が跳ね上がるほどうれしかった。
「迎えに・・・来てくれたんだ・・・」
満面の笑みを浮かべ、桜は緑間に駆け寄った。
「時間が余ったのだよ」
そう言う緑間だが、桜には照れ隠しなのだと分かってしまった。
「行こう!今夜も星がきれいだよ!」
両手で緑間の手を掴むと、笑顔で歩き出した。