第3章 夏祭り
参道を抜けると、高尾の姿が目に入った。
「おー桜ちゃん、真ちゃん!」
ひらひらと手を振っている。
「よかったー桜ちゃん、真ちゃんと一緒だったんだ。いやーすごい人だったからさー」
「だからお前はダメなのだよ」
へらへらと笑う高尾を横目に睨むと、そのまま宿の方へ歩いて行ってしまった。
「え、おい真ちゃん!って・・・」
慌てて後を追いかけようとする高尾は、緑間がしっかりと桜の手を握っているのに気づいた。
「へー真ちゃん、やるじゃん」
にやりと笑う高尾は、2人から数歩遅れてついていった。