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【黒バス】真夏の海から

第3章 夏祭り


今日はお祭りのせいもあってか、一昨日とは違って人通りが多い。
神社の参道には出店が所狭しと並んでいる。
「わぁー賑わってるねー」
声を弾ませる桜。
「はは!はしゃいじゃってかーわいー」
笑って桜を見る高尾。
それに打って変わって睨みつけるように見ている緑間。
「ね、わたがし食べませんか?」
「お、いいねー」
高尾は桜に近寄り、お店に向かう。その後ろから、黙って着いて行く緑間。
「わたがし一つください」
「あ。俺が出すよ」
高尾はさりげなくポケットから小銭を出して支払った。
「え・・・でも・・・」
「可愛いところみせてもらったお礼ってことで」
「な・・・またそういうこと言って」
桜は頬を染める。
「高尾、あまり馴れ馴れしくするのではないのだよ。困っているだろう」
「へいへい」
適当な返事で返し、心の中では爆笑していた高尾。
「ま、とりあえずわたがし食えって」
三等分にされたわたがしを不満そうに受け取る緑間。黙って一口、口に入れた。
「ふわふわしてて、美味しいね」
そう言って笑った桜は、指についてしまったわたがしを舐めて取った。
その瞬間、再び緑間の心臓は跳ね上がり、目のやり場に困った。
「あ!金魚すくい!」
出店を見つけ、また無邪気な声を上げた。
「まったく、純粋すぎてホントたまんねーな」
小走りに駆け出す桜を見て高尾はつぶやいた。
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