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【黒バス】真夏の海から

第3章 夏祭り


その日の練習も無事に終わり、夕食の片付けを済ませた桜は日向に声をかけていた。
「今日、近所の神社でお祭りがあるらしいんですけど、行ってもいいですか?」
「え、一人でか?それとも・・・」
遠慮がちに問いかけてきた桜に驚いた日向が質問し返すと、そこに高尾が現れた。
「あ。桜ちゃん。外出許可取れたー?」
にこにこと手を振りながら近寄ってくる。
日向はすかさず高尾に飛びつき胸倉を掴み上げた。
「お前か?!お前なんだな!うちの箱入り娘に手を出したのは!!」
「い、いや・・・まだ手は・・・あ、いや、俺じゃなくて真・・・」
日向の剣幕に苦笑いで弁解しようとし、緑間の名前を出しそうになり慌てて口を閉じた。
「俺じゃなくて、誰なんだよ。彼氏気取りで祭りに誘い出すどこぞの馬の骨は」
笑顔でさらに距離を詰めた日向の迫力に、引きつった笑いでごまかそうとする高尾。
「あら、あなたたちお祭りに行くの?」
そこに、民宿の女将さんが顔を出した。
「え、あ、いや・・・」
日向は慌てて手を放した。
「そうだ桜ちゃん、お祭りに行くならその前にちょっと、こっちおいで」
笑顔で桜の手を掴むと少々強引に連れて行ってしまった。
「え、あの・・・」
困惑した表情で日向と高尾を見ながらも女将さんに何も言えず奥の居間に消えていった。
「玄関のところで待ってるからー」
「おい、お前!」
どさくさに紛れて高尾が声をかける。
「ったく仕方ねーな。その代わりしっかりガードしろよな」
「お、おう・・・」
満面の笑みで日向に脅されて、高尾はそれ以上言葉が出なかった。
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