• テキストサイズ

【ハイキュー!!】君と僕が【腐向け】

第3章 紅月【クロ月】


今夜月食があると、すれ違った女子高生が騒いでいるのを小耳に挟んだ。





部屋に帰るなり上着も脱がずにベランダに出て月を見上げる。

ちょっと楽しみにしてたなんてことは絶対にない。




見上げた月は、食べかけのビスケットのように欠けた月は、ほんのりと赤みを帯びていた。




夜は冷える。
最近は特に、夏から冬への転換期だ。
影山が鼻をすすっているのも気温の上下が激しいからだろう。

なんとかは風邪を引かないってよく言うじゃないか。





まったくどうでもいいことを考えながら、吸い込まれるように月に手を伸ばした。
夜空に向けた手のひらを欠けた月に重ねて、ぎゅっと握る。

月を手に入れたみたいだ。
僕が幼かったなら、そう言ってはしゃぐかもしれない。
それとも、僕はもっと大人びた子供だったっけ。




千切れた雲に隠れた月を手から離した。

/ 15ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp