第3章 嵐:櫻井翔
ある日、ローファーの片っぽがなくて
モヤモヤしながら1人、
校内中を探し回っていたら
「なーに探してんの」
と、泥だらけの翔が
泥まみれだったろうローファーを
綺麗な状態で持っていた
「帰るよ。ほら、はやく」
「で、でも」
「あ。乾いてるから安心して」
「違うよ!!!」
思わず大声出してたから、
びっくりして手で口を抑えた。
「なにが?」
「……なんでもない。」
なんで、知ってるの。
あんたはいつも、なんで?
財布を池に捨てられてた時も、
教科書をごみ捨て場に、
捨てられていた時も
カバンを隠されていた時も、
『お前、無くしもの多過ぎだろ』
って、笑っていつも
私より先に見つけちゃってさ。
なんなの。