第13章 関ジャニ∞:大倉忠義
そりゃ彼女なんて居らん、
ってのがアイドルである前提の話かもしれん
世間的には俺は独身やし、
浮いた話なんかあるわけがない
けどこの女アイドルは
色んな男たぶらかしては
スキャンダルになって名前を売っとる
やからマネージャーに
気をつけろって釘を刺されてた。
まさか俺が狙われるとは。
「そういうのは、ちょっと。
マネージャー通してもらわんと」
『えー。いいじゃないですかぁ
お友達の体でしたら問題ないですしぃ』
まったく引こうとしない彼女に対して、
俺も俺で逃げようにも
逃げられない状況に困り果てていた。
最悪なことにここの廊下は
あんまり人が通らない
通るにしても美術さんや音響さん数人だ
『それに私、大倉さんのファンなんですぅっ!』
そう言って抱きついてきたアイドルに
思わず条件反射みたいに
押し返す。
「あの、そういう軽率な行動とか、
やめてください」
誰か、助けてくれよ、
そう思ってたら、
「大倉なにしてんねん、
はよ飯食いに行くで!!
みんな待ってんのにトイレ長すぎ!」
後ろからすばるくんの声。
「ぼーっとせんと。」
すばるくんはアイドルを無視して
俺の腕を引っ張る
アイドルは困ったように「あのっ、」と
引き止めようとする
「あんな、俺ら大事な時期やねん
お前とベタベタしとる暇ないねん、付きまとうな」
そう言い放って、歩き出した