第13章 関ジャニ∞:大倉忠義
だらしないからなぁ、
そう言って笑った渋谷くんが
「だから好きになんかなるな」って
私の頭を軽く小突いた。
八方美人だからさ。
ああやって女の子みんなに
ヘラヘラ笑ってんねんアイツは。
私の気持ちを察してくれてるのか、
そう言って渋谷くんは
私の頬を1度だけ優しくなでた。
だけど誰かが言ったんだ
「好きなら仕方ないじゃんね?」
そう、笑った。
私の想いは悪くないと言ってるように。
遠くで女の子達と笑う大倉くんは、
いつも女の子達みんなが
見ていない一瞬だけ寂しそうにするんだ。
「それでも好きになっちゃったんだから
それは仕方ないじゃん。バカ渋谷!」
「おれに当たんなよ!」
だって、
話しかけられたら嬉しいと思うんだもん。
笑いかけられたらまた見たいと思うんだもん。
放課後「またね」と言われたら、
そういうとこ、けっこう俺は好きやでって、
いつも、無駄に心臓が動いてドキドキして
顔が火照って熱くなって。
泣きそうになるんだもん。