第12章 関ジャニ∞:錦戸亮
必死に積み上げた"好意"が。
こうもあっけなく壊れ去るんだ。って。
ズキズキ痛む胸に思い知らされた。
「どないしよ、」
これ、たぶん、もう販売中止になったヤツや
人気過ぎて生産追いつかんくて
今後の販売予定もないって、テレビで言っとった
代わりなんてない
たった一つだけなのに。
がら、
扉が開く音がして、
振り向くとそこにはしょんぼりしたの姿
また、必死に取り繕う笑顔に
は「もういいよ。」と微笑んだ。
あっけなく壊れるその笑顔に
はまた悲しい顔をした。
「ごめんね、最低なんて言って。
わざとじゃないのにほっぺも叩いて。
酷いのは私じゃんね、ごめんね、叩いていいよ」
覚悟したように目をぎゅっと瞑り、
顔を背ける。
「女の子の顔を叩くわけないやろ。
ましてや好きな女の子なのに
どうやって許してもらうか考えてたんに。
なんか、馬鹿らしかったな」
「覚えてないかもしれないけど、
あのキーホルダーは錦戸に貰った物なんだよ」
覚えてないでしょ、って
笑う。