第12章 関ジャニ∞:錦戸亮
「……、ネックレスの修理ですか?」
「は、はい。大倉さんなら得意でしたよね?」
「ふふ。別に得意やけど、
まさか俺に頼むとは思わんかったな」
家庭教師の大倉さんは
手渡したネックレスを受け取ると
大きめのカバンにしまい込む。
「こういうの、亮くんに頼めばええのに
家庭教師に頼むやなんて、どうしたん」
「そ、それ亮くんから貰ったやつだから…
流石にくれた本人に頼むのは…ちょっと…」
「なるほどね。オッケー、直しとく」
大倉さんは私の家には出入りが自由だから
予定以外でも家に来て
私のお世話や話し相手してくれたりする。
たぶん暇な人なんだと思う。
書き物をしていると、
黙り込んでた大倉さんが話しかけてきた。
「そーいや、」
「ん?」
ずいっと顔を出してきて、
大倉さんはにやぁっと口角を上げた
「亮がな、不機嫌やってん」
「だ、だから?
大倉さんが何かしたんでしょ?」
「いーや?」
ずいぶん前に、
家同士、親交がある安田家の人が家に来て
息子さんである章大さんに会わされた
ひとつ上だったけど、
背も近くて話しやすく良い人だった
と、亮くんに報告したことがあった。
「それやろ、ぜっったい」
「な、なぜよ。
不機嫌になる理由になんてならないわ」
「お前のワガママ聞いてやってんの、
誰やと思ってん、このバカ娘」
「なっ…!」