第11章 関ジャニ∞:安田章大
腹が立った。
いつから彼を好きになったっけ。
いつ、好きと言わなくなったっけ。
どこで、おかしくなったっけ?
「…章ちゃんは、女友達と仲いいね」
「そう?みんなええ子でカワエエからな」
なんてニコニコして言うから、
亮ちゃんが章ちゃんの頭を強く叩いた
は?という顔を浮かべた章ちゃんに
「…だったらその女友達と
付き合えばいいじゃない!!!!」
「ちゃんっ!!」
モテることも知ってるよ。
章ちゃんが天然だってことも、
鈍感でムードメーカーで
おしゃれさんだってことも全部。
だって、彼女だもん…。
ずーっと好きなんだから
好きにならなきゃ良かった、
そんな恋をしてた私に
章ちゃんが私に言ったんだ。
『僕やったら幸せにしたる。
不安な気持ちも、消したげるから』
付き合ってください、
そう言った章ちゃんは
いったいどこへ消えたんだろうね。
ドンッッ
無我夢中で走っていたら、
誰かにぶつかって尻餅ついた。
見上げると、かの有名な大倉くんの姿。
「…だ、大丈夫?」
手を差しのべる大倉くんが、
私の顔を見て笑った。
「…な、なに」
「…あ、いや。ごめんな。
上目遣いが可愛ええって、思って。」
ふふ、と笑い私の手を握る。
そして上へ引っ張って立たせてくれた。
「急いでたん?凄い息切れしてるけど」
大倉くんが心配そうに見る。
「…ちがうよ」
大倉くんとは何度か授業が一緒で、
ペア組みで話したことがある
凄い優しくて思いやりのある、
さすがモテ男子って納得する人だ
「もしかして、ヤスと喧嘩?」
「え…、し、知ってるの?」
「はは。知らんヤツのが珍しいで?むしろ」
大倉くんが笑いながら言った。
戸惑う私に、大倉くんは教えてくれた。
「ヤスがな、さんと
付き合い始めた当日にな、友達全員に
付き合っとること言いふらしてたんやで」
『ちゃんは僕と付き合っとるから』
「やから、女友達に相談乗ってもろたり、
いろいろ世話して貰ってるみたいやし。
女友達も知ってると思うよ、付き合ってる事
そうとう、嬉しかったんやろーなぁ…」
大倉くんが何度も頷いた。