第11章 関ジャニ∞:安田章大
本当は、知ってた。
友達が多い事も、
男友達より女友達との方が合う事も。
だからこそ、私は仲良くなれたわけで
でも、それ以上に知ってる。
女友達は私だけじゃないって。
「ちゃんっ、おはよう!!」
ぎゅっと抱きつかれ、
振り向くとそこには章ちゃんではなく
亮ちゃんがいた。
「…抱きつかないでって、言ったのに」
「ええやん、ヤス他に行ってんねやろ?」
ちらっと見た視線の先には、
綺麗な女の子と写真を撮り合う章ちゃん。
「…ほっといて」
「俺が穴埋めになったるって言うてるやーん」
「うっさいボケ、するわけないでしょ!!」
本当は、思ってはいけないことも
考えるべきでないことも、
自覚してるはずなのに
見向きもしない彼にとって、私には、
ただ、浮ついた気持ちもない、
よそ見しない女だと安心してるだけ。
だから亮ちゃんが抱きついても、
くっついてても、
章ちゃんはそれを見て、
「仲ええな、相変わらず~」
この一言しか言わないのだろう。