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Ifの物語。

第11章 関ジャニ∞:安田章大





勝手に利用されて、


その女優はニコニコ笑って
ドラマの主役だとか、
CMだとかに抜擢されては


チヤホヤされて浮かれとった。




「…ヤス、気にすんなって」

「あんなやつ、そのうち
すぐに干されんねん。」



やっぱ、辞めれば良かった


こんな仕事、何の自由があんねん





フラフラ気分落ちたままで、


人気のない公園に入った






すると、どこからか泣き声がした。


確かに女の子の声で、
一人ぼっち、だった




「…どないしてん」




話しかけてしもうた、って。


少しだけ後悔。




上げた顔を見て、

彼女は涙をボロボロ流して




「…何にも、」



ただ、それだけを言った。



「一人で危ないで?」

「誰も、居ない方が都合いい」


彼女は言った。


「泣いてる時、人が隣に座って
黙って慰められるよりも、
私はこうして一人で泣いてる方が
誰にも迷惑かけないからずっといい」



ただの自己満足だけどね、


って笑った。



「僕もな、あることないこと。
たくさん広められたからな、
ほんま、参ってんねん。
今の仕事は好きやけど…辞めて
違う道、歩くんも正解かもしらんって」


他人から見た視線は、

いつだって誤解を生むもので。



弁解の余地すら、与えられはしない




「…ダメですよ、そんなの。」


「え?」


「好きな仕事だったら尚更、
貴方は辞めるべきではないですよ
貴方は一人ぼっちじゃないんでしょ?
いつだって誰か隣に居て笑って、
大丈夫、心配するなって。
そう言ってくれる人が居るんでしょ?
だったら、貴方はまだ続けなきゃ」



そう言った君を、


月に照らされあらわになった顔に




「…ありがと。」





一目惚れをしたんやで。









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