第9章 関ジャニ∞:村上信五
亮がついて来て〜と、
抱きついてまでせがむから
仕方なく職員室へ。
その帰り道。
裏庭に村上先輩と女の子。
「あれ、ムラカミセンパイやな?」
「ほんとだ…って亮は同い年でしょ」
あはは、と笑いながら
亮は私の手を握り
前を歩き出す
当たり前に引っ張られ
強引に私も歩き出す
「りょ、亮!」
「泣くなら泣く前に
俺が連れ去ってやんねん」
なんちゃって、って笑う亮。
泣くわけないじゃん。
だいぶ前に枯れるまで泣いたよ?
違う、この涙は…。
「俺なー。ほんまの事言うとさ
と兄妹やなかったらええな
そう、いっつも思っとったんやで」
亮が私を見て言う。
「ずっと隣に居れるのも、
ふざけて抱きついたりちゅーしたり
可愛いって言って照れさすのも、
理由なく、傍に居てもらうんもさ。
よく考えれば、特別やないねんな俺ら」
亮が悲しげな目をする
どういう意味?
「…俺ら、あくまで兄妹やねんで。
お前が恋愛感情なかったら成立せえへんねん」
やから!
亮が気持ちを消し去るように叫んだ
「うじうじ悩まんと行け!!」
ぽんと押された背中。
そのとき、気づいちゃった。
亮の手が震えてたこと。
泣いてるってことだよね?