第9章 関ジャニ∞:村上信五
事務所に着くなり、
すばるとモデルが立ってて。
「村上、」
すくっと立ち上がるすばる。
モデルは駆け出しのくせに
偉そうに足くんでソファーに座ってる
なんなん、その態度。
『失礼ですよね?
あのままだったら私達、
誤解されてスクープですよ?』
「は、自意識過剰ちゃうの。
話題作りしようとしてんのお前やん」
「すばる、」
ぐい、と肩を掴む。
すばるも悔しそうに手に力が入る。
『テレビで流れる前でよかった
あれが生放送だったら記事にされるし
仕事もままならないし~。よかった』
とグロスを塗りなおすモデル。
「…おまえっ!!」
「おい!!!」
すばるが手を出す前、
俺が大声出して遮る
「それが人と話しとる時の態度なん
お前、芸歴も年も下やろ。
礼儀もなっとらん、なんなん?
偉そうに文句だけつけてさ
やったら番組降りればええだけやろ!
新人やったら他にも起用できるし
有難いことに生放送やないからな?
編集とかでなんとでもなるわ」
『……、』
「…それともなん?
ちっさい事務所ごと潰したろか?」
ガンッッ、
拳を強くテーブルに叩きつける。
「…んで?どうしたいん。
Twitterで晒すか?大事にしとくか」
『…今回は流すわ』
モデルは慌てて事務所を飛び出した。
「…ありがと、村上」
「ええで。お前は何も悪くないから」
にひ、と笑うと
すばるは照れくさそうに俯いた。