第2章 嵐:大野智
学校では、必然的に二宮くんと
話すことが多くなった。
チラリと見かける智の姿も
今では気にならなくなっていた
「先輩!今度、水族館に行きましょう!
僕、すっごい良いところ見つけたんです」
「ええ~、二宮くん水族館ってガラじゃない」
「それは言わない約束です」
二宮くんはモテる
優しい笑顔、社交的で、
人に好かれる性格のうえイケメン。
頻繁に呼び出されているのを、
私は幾度か見かける事があった
「!」
そして、
懐かしい彼の声にドキッと心臓が
変に鼓動を打ち始めた。
「どうしたの、智」
「最近さ、話してないからさ。
久しぶりに一緒に帰ろうって誘いに来た」
彼女いるくせに、
智にとって
他の女と"幼なじみ"は別枠なんだ
「いいよ、彼女に恨まれたくないもん」
「……いないよ、彼女なんて
もう、別れたよ。ずっと前にね」
ばさ、
その瞬間に物が落ちる音がして振り向くと
「あ、いや、」
涙を流す、
二宮くんがそこにいた