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Ifの物語。

第5章 嵐:二宮和也








ヨロヨロしながら保健室に入ると、




「…え、どうしたん!?」




安田先生が駆け寄って来た。





そうだよね。



制服をズタボロにされてたら
誰だって驚くよね





乾いた笑い声で、



誤魔化してみるけど
一緒に出るのは涙だけ






「…せんせ、寝かせて…っ、」


「…おん。ゆっくりしぃ」



ベッドに潜り込み




ただ、布団を深く被って目を閉じた。
















ーーーー……、





揺さぶられ、目を開けば
お兄ちゃんがいた




私のカバンも一緒にある





もう、放課後か…。




「相葉が、戻って来ないって
泣きそうな顔で言うから。
ずーーっと捜してたんですけど」


「……」



「なんで保健室にいんの?
布団も深く被って、なに隠してるの」




投げかける言葉に、


本当は気づいてるくせにって
言い返したかった。



でも、視界が滲んできて




ポタポタと涙が布団にこぼれて







「しらないよぉっ、そんなのっ…
ひどいよっ、なんでっ…なんでさぁっ…」



「…。」

「あっち行ってよ!!
一緒に居たら邪魔なんだって!
みんな言うよ、あんたは邪魔って!!
だからお兄ちゃんは…!」





「!!」





お兄ちゃんが、




初めて大声を出した。



やっと、止まらない言葉に




私は黙ってお兄ちゃんに
抱きついていた







「…邪魔じゃねえって
言ったろ?この前、はっきり。
に彼氏いたらやだっつって
意味、分かってます??」


「…っ、ど、いう?」



「好きなの。
ずーーーーっと、好きなの」









遠い君に、




手を伸ばしてはいけなかった







隣を歩いても、


恋人同士には見えなくても











「…っごめんなさい、
怖かったの、怖かったのっ…!」


「うん。俺も悪かった」





本当に好きだって、


もっと早く言えたら良かった




























( 遠い君に ) END






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