第2章 嵐:大野智
高校3年生冬。
みんな進路が決まって、
卒業間近になってきた頃
俺は溜息を吐いた。
「なーにため息ついてんの?」
「…おお」
俺は県内の大学進学。
彼女は、
県外へ就職が決まった
「ニノ、進路は決まった?」
「決まりましたよ、進学です」
何げに頭の良いニノは、
やっぱり頭の良い大学進学が決まっていた
「なに、恋煩い?」
ふふ、と笑う彼の笑みに
少しだけ恥ずかしさを感じて、
顔が赤くなるのがわかった
ニノには可愛らしい彼女がいる。
彼女は県内の大学進学で、
多少の遠距離になってしまうらしい
でも、二人は絶対に離れない信頼があった
「告っちゃえばいいのに」
「…まあ……、そうなんだけどさ」
フェンスに寄りかかり、
また、ため息を1つ吐いた。