• テキストサイズ

オモエ

第2章 ハツコイ


思い切り走って来たからか、普段よりも10分近く早く学校に着いた。
息が切れて苦しい。

「…はぁ……つっかれたぁ……」

誰も居ない昇降口で、溜め息混じりに言う。
3年生の教室は、二階。
階段を上り自分のクラス、3-Aに入る。
一番乗りかと思ったが、人影がある。
その人影は、うちに気付くと怪訝そうな顔をしながら近寄ってきた。

「おはよう。なんだお前、朝から息切らせて。つか、武内は一緒じゃねーのか?」

こいつは、幼馴染みの田倉龍也。
生まれてこのかた、違うクラスになったことがない。
うちは、説明するのがメンドーだったので
一言。

「……逃げてきた…」

とだけ言っておいた。

「へー……って、はあ?誰から?」

龍也は一瞬納得した後、裏返りかけた声で、うちに聞いてくる。
疲れたのと、朝から嫌なモノを見てしまったイライラが重なり、少し怒気を含んだ声で返す。

「…別に、誰だって良いじゃん」

「……まぁ、な」

曖昧な感じで返す龍也。
うちの今の気分を汲み取ったのか?
まあ、それは別にどーでも良いけど。






/ 5ページ  
エモアイコン:泣けたエモアイコン:キュンとしたエモアイコン:エロかったエモアイコン:驚いたエモアイコン:なごんだエモアイコン:素敵!エモアイコン:面白い
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp