第3章 日常
京楽の発言に冬獅郎と雪乃はポカーンとした顔をしたが、乱菊はどこか納得したように言った。
「確かに・・・雪乃って私よりずっと前からここにいるのよね?それなら雪乃の方が私よりだいぶ歳上のはずだわ。なのに、容姿は私の方がずっとお姉さんよ?」
雪乃はすかさず反論する。
「わ、私だってちゃんと成長してるもん!!そりゃ、乱菊みたいに大きくはなってないけど・・・。」
そうつぶやきながら雪乃は自分の胸と乱菊の胸を交互に見た。
雪乃の反応をみた冬獅郎は呆れたように言った。
「そういうことじゃねぇだろ・・・。」
「え、そうなの?じゃあ、どういうこと?」
キョトンとした顔で聞く雪乃に三人は呆れたのか、
まぁ、いいかと言い合い、その会話は終わった。
四人の雑談は別の話題へと移ったが、雪乃はその話は聞き流し、さっきの疑問について考えていた。
先程はとぼけた雪乃だったが、それはずいぶんと前から雪乃が抱えていた大きな悩みの一つだった。
(私を置いて、周りだけ時間が流れているみたい。)
雪乃が初めてそう感じたのは平子 真子等失踪事件のすぐあとだった。