第3章 日常
一方、雪乃が出て行った十一番隊隊舎では・・・
隊舎で様子を見ていた隊士たちが
「一気に元気になったな。」「切り替えすげー。」
などとつぶやきあっていた。
一角は部屋の中央にあるソファに腰掛け、弓親に入れてもらったお茶を飲みながら
「ったく隊長の裸見たからってんな落ち込むか・・・?」
とほざいていた。
弓親は湯呑を洗い、タオルで拭きながら一角の隣に座った。
「ま、雪乃は女の子だからね。」
「そう、だよな・・・。」
「あれ、意外だな。一角なら否定しそうだったのに。」
「しねぇよ。あいつはちゃんと女だっての。この前だって、風呂場で・・・」
一角は何か言いかけたがすぐに顔を赤くして黙ってしまった。
「へぇー、お風呂、一緒に入ったんだ?」
弓親は一角をからかうようにニヤニヤと笑っていた。
「なっ!あれはあいつが勝手に!」
「え、雪乃から入ってきたの?」
「・・・あ、あぁ。誰もいないと思ったんだと・・・。」
「そのまま一緒に?」
「な、流れでだよ。」
「ふぅーん。」
弓親が一角をじとーっと眺めると、
一角はお茶を一気に飲み干して隊舎をあとにした。
弓親は一角を見送ると、持っていた湯呑を片付けに行く。
「・・・僕の時は拒んだくせに。」
なんてつぶやきながら。