第1章 素直になれなくて 忍足謙也
後日、自宅にて
「…はぁ~…またやってもーた…。今度こそは素直になろ思ってたのに…。いや、あれは謙也が悪いもん…うちが悪いんや…あらへんもん…。」
うちは、なんでか知らへんけど、蔵達には優しくっちゅーか、普通に出来るんやけど謙也のアホんだら(誰がアホんだらやby.謙也)にはあないな態度とってまう…なんでやろ?
「それ、忍足だけなんだろ?なんか特別な感情でも持ってんじゃねぇのか?」
「…特別な感情…?」
「恋とかなんじゃねぇ?」
うちの名前は、千崎ことの。今、東京の氷帝学園に通っとるテニス部員の宍戸亮と電話しとる。
まぁ亮とは幼馴染みっちゅーやつやな。
うちも最初は氷帝に通っとったんやけど、中学上がってすぐに、大阪の四天宝寺に転校してきて。
東京離れたんは寂しいけど、大阪も大阪で楽しいねん!
「ことの?聞いてんのか?」
「え、あ、ごめん!…でも、うちが謙也に恋とか…ありえへんよ…」
「どうしてだ?」
「だって…今まで喧嘩ばっかりやし…。好きって気持ちが…分からへん…。」
「だったらこっちの忍足に話聞いてもらえよ。」
「…侑君に…んー…そうしよかな…。ありがとな、亮。」
「いや、いーぜ。じゃあな。」
「うん、ほなな。」
「…え、謙也の事……?珍しいこともあるもんやな、もしかして、謙也の事「んなわけ無いやん、あいつの弱点知りたいねん」…ことの…。」
「う…やって、好きなんか分からへんもん。」
「そやなぁ…謙也がことの以外の女の子と話しとったらどう思う?」
「なんか色々とムカついてくる。」
「ほなら…謙也がことのに笑顔で話しかけてきたら?」
「…まぁ、嫌われてないんやなー…って思ったら…嬉しい…かな?」
「読めたで、ことの。それは謙也の事、意識しとる。つまり、好きってことや!」
ほんまに、そうなんかな…うち、謙也の事…。