第3章 きっかけ 真田弦一郎
「…。」
言ったあとにハッとなり、
「あ、ごごご、ごめん!こんなこと言われても迷惑だよね!ごめん、忘れて!///」
そう、まくしたてて、帰ろうと思ったら
パシッ…
「…え?」
突然、腕を掴まれ、びっくりして真田君の方を見る。
「さ…なだ、くん…?」
どうしよ…絶対困らせちゃった…。
「…すまん…俺は…こんな時にどう言っていいか分からん…が…俺も言いたいことがある…。」
「…俺も、同じ気持ち…なんだと思う。」
「…えっ…!?」
「こっちを向くな!」
「…あ…。」
振り向いた私は、真田君が顔を真っ赤にさせていたのを見てしまった。
普段見せない彼の表情に思わず笑ってしまい、真田君にちょっぴり怒られちゃったけど
そのまま、彼の逞しい腕の中に閉じ込められ夕日に沈む2つのシルエットが重なった。
ようやく離れた2人の顔は、夕日にも負けないぐらい真っ赤だった。
~END~