第3章 きっかけ 真田弦一郎
あの時の真田君の笑った顔がとても優しくて…多分、それが一目惚れのきっかけ…。
「…って、何恥ずかしいこと…///」
でも、きっと好きだなんて伝えられないだろうなぁ…。
そんな後ろ向きな気持ちのまま過ごす毎日はあっという間。
季節は夏。私は今、テニス部の試合を見に来ている。あれから日に日に会話することが増えていって、今では話さないことが無いくらい。それでも私達の関係は変わらないまま。
そんな真田君は今は試合中…。
“真田君、頑張れ…っ!”
今は試合中の真田君に伝わるように、ひたすら祈るしかなかった…。
総合結果は、立海の負け…。
みんなは満足そうな顔してたけど、何だか居た堪れなくなって、私は静かに涙を流した…。