第9章 あなたの分まで
驚愕する。
部屋の中には、ダニエルしか
いなかったのだ。
「あの、みんなは?」
動揺を押し隠して
なるべく冷静に問う。
ダニエルは嫌な笑みを浮かべて
近付いてきた。
「後で呼びますよ...。」
本能的に危険を察知し
身を翻そうとしたとき、
私はダニエルに捕まった。
「ちょっ!?何す...!!んーっ、んーっ......!!!!」
叫ぼうとした途端、
手で口を封じられる。
ー まさか、アクマ!?
私を抱きすくめたダニエルは、
そのままソファーに私を
押し倒した。
「んーーー!!!!!!」
叫びをあげても、言葉にならない。
ー アクマではないのね!!!!
コートを無理矢理脱がされる。
ダニエルは内に着ていた白いTシャツを
襟元を掴んで引き裂いた。
ペンダントが胸元でゆらゆら揺れた。
肩が露出し、お腹まで一気に破かれる。
しかし、ダニエルはあらわになった
私の傷だらけの肌を見て、戸惑ったように
手を止めた。
その瞬間、私はイノセンスを発動した。
「んー!!」
発動した途端、額から
強い光が放たれる。
空間を歪めて槍を造り出すと、
それを壁に向かって放った。
ドガァーン!!
凄まじい音。
「な、なに!?」
慌てふためいたダニエルが、
私の口から手を離した。
口が自由になった途端、
私は叫んだ。
「ラビーーーーーーーーーーーーー!!!!」