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孤独を無くしたい 【D.Gray-man】

第9章 あなたの分まで


           ~ラビサイド~

オレ達は街を出て、枯れた森の
始まりを目指した。

泣いたことが恥ずかしいのか、
リランは口数が少ない。

というより森歩きが意外と
しんどくて、全員がそこそこ
疲れている状態だった。

「この辺ですね。
 森の枯れ始めは。」

カジムが立ち止まって辺りを
見回す。

数m向こうは緑の木々。
確かにここが始まりのようだ。

「んじゃあ、この辺ちょっと調べるさ。
 土とか木の様子とか、
 ちゃんと観察するさー」


オレ達は少しずつ離れたところで
木を調べ始めた。


ー 土が...カラカラしてる?


土に手を触れると、
サラサラ指からこぼれおちた。
確認するために枯れていない木の、
根元の土に触る。


ー こっちは湿ってる...。


枯れていない木の土は
手に張り付いてきた。
それに、よく見ると枯れているのは
木だけではない。

「雑草も枯れてるね」

リランが呟いた。
同じところに気付いたらしい。
しかし、イノセンスの手がかりは
見つからない。

「イノセンスっぽくないし...。
 やっぱり外れかな?」

リランが途方に暮れたような顔で
木を見回す。

「...誰だ?」

その時、神田が身構えた。
視線をたどると
木のそばに人影がいる。

「出てこい」

神田の言葉に、
人影は怯えたように手を上げて
こちらに分かるよう姿を現した。

「私達は黒の教団の者です。
 あなたは?」

リランが現れた男に声をかけた。

冴えないTシャツにジーパンという
軽装の、どこにでもいる普通のオヤジだった。

「わ、私は...アルドーと...申します」

アルドーはおどおどと
落ち着きがない。

「何でこんなとこいるんさ?」

「あ、いや...その、木の様子を
 見に来てみたんです...。」

手を下ろして、
不安そうな顔を向ける。

「皆様方は何を...?」
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