第9章 あなたの分まで
街へ着いたオレは、
少し肌寒い風を感じて
首に巻いたマフラーを軽く
上へ引っ張った。
「この街で起こった怪奇現象について
調べましょう。
3日後の朝に、護衛の任務のため
この街を発ちます。」
カジムが言う。
ー 期限は明後日までか.......。
晴れた空を見上げ、まずは
怪奇現象の調査を開始した。
「どんな現象さ?」
「えーと.......。
3日前の嵐の次の日、
街の近くの森で大量の木が
一気に枯れたそうです。」
カジムがそう言って
街の西側を指差した。
「おー、派手に枯れてるねー」
リランが腰に手を当てて
森を眺める。
扇状とでも言うのだろうか。
扇をひっくり返したような
形状でそこだけ茶色い木々があった。
「行くぞ、調査と今日の宿探しだ。」
神田に促されて
オレ達は街を歩き始めた。