第9章 あなたの分まで
アレンが方舟を操れるから
移動手段に使われてるとはいえ、
方舟はまだ完全には解明されていない。
だから、アレン以外のエクソシストが
任務に行くときは、
旧式の船で行くことが多い。
オレは、カジムの話を
笑って聞き流しながら
水路に目をやっていた。
「僕、エクソシストの方と
任務に行くの初めてなんです。」
オレとリランにしか話しかけてこない
カジムは、完全に神田を
避けている。
しかし、だからといってしつこく
話しかけられるのは
いい加減に疲れた。
「カジム、オレちょっと考えごとしたいさ。」
笑顔で言えば、カジムは黙った。
神田に目を向けるが、
こちらはオレ達を完全に
無視している。
ー こんなんで大丈夫さー.......??
先行きに不安を感じつつ
オレは息を吐いて額に手を当てた。