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孤独を無くしたい 【D.Gray-man】

第9章 あなたの分まで


そのまま立ち去ろうとしたが、
聞きたいことを思い出して
司令室に残った。

神田はさっさと出ていく。

「聞きたいことがあるのかい?」

コムイが笑いながら言った。

「ま、そうさ」

肩をすくめてニッと笑ってみせる。


ー オレが聞きたいのは.......


「コムイ、リランの過去を知ってるか?」

真剣な顔で聞く。
コムイもへらへらした態度をやめて
オレに向き直った。

「.......ああ、知っているよ。
 いくら適合者でも、素性の分からない
 人間を入れるわけにはいかないからね」

肯定してから、深く息をつく。

「かなり酷い目にあっていたようだね。
 ラビも、聞いてくるということは
 過去を知ったんだろう?」

オレは頷く。
聞きたいことは
ただひとつだ。

「リランの本名...もしくは、
 両親については分かるか?」


コムイが何か反応する前に、
聞き慣れた声が響いた。

「それを知ってどうする、ラビ」

「じじいっ!?」

振り返ると、いつ入ってきたのか
ブックマンがいた。
オレの驚きなど意に介さず、
感情の無い瞳でオレを見る。

「その質問はブックマンの後継者としてか?
 自分の立場を忘れるでないぞ、ラビ」

冷ややかな声で諭されて
オレはため息をついた。

「...別に、大したことじゃねぇさ。
 忘れてねぇし。」

コムイに背を向けて、手を上げる。

「忘れてくれさー。
 じゃ、任務行ってくるさ」

ブックマンの横を
すりぬけ、ドアをバタンと閉めた。

「まだまだ未熟者じゃな」

中から聞こえたブックマンの言葉に
舌打ちし、荷物を持ちに部屋へ
一旦帰った。
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