第8章 アジア支部にて
アレンの笑顔とロウファさんの
赤い顔を見比べる。
ー アレン...モテるんだ...
思わずラビの顔を見る。
ー ラビって...そういえば、
好きな人とかいるのかな?
余計な考えをしていたら、
ラビとバチッと目が合ってしまった。
慌てて微笑む。
ラビもニッと笑い返してくれた。
バクさんに目を向ける。
ー 危ない...余計なこと考えるのやめよ...。
「ロウファ、ラビをブックマンのところへ
案内してくれ」
「分かりました!ラビさん、こっちです」
ラビがロウファさんに連れられて
去っていく。
私達はバクさんの補佐役だと言う
ウォンさんに連れられて
とある一室に入った。
「え.......?これ全部...?」
息を飲む。
部屋を埋めつくす勢いで
本や紙がうずたかく積まれていた。
「では皆さん、お願いいたしますぞ」
ウォンさんはすぐに
どこかへいってしまった。
「コムイ...帰ったら斬る...!」
神田が恐ろしく不機嫌な声で言った。
私は不覚にも同感だった。
「と、とりあえず運びましょ?
ゲートの前まで運べば良いみたいだし」
リナリーが困った笑いを
浮かべて手を合わせた。
「うん...そうだね...。
文句言っても埒明かないし」
諦めて本を数冊積み重ねて
抱えあげる。