第8章 アジア支部にて
次の日の10時。
時間にきっかり集まった私達は、
ゲートをくぐってアジア支部へ
入った。
任務がない今日は、みんな私服だ。
私は黒いノースリーブのインナーに
オフホワイトのフェミニンカットソー、
黒と白のチェックスカートを着て
黒いレギンス、白い
膝丈のブーツを履いていた。
リナリーと色違いで、
モノトーンで揃えた。
ラビもアレンも似合うと
言ってくれた。
ただ、昨日はいなかった人が
1人増え、そいつは、
「はあ?似合うかだと?
そんなの俺の知ったことじゃねぇ」
と言い放った。
...神田だ。
デリカシー無いヤツ。
内心でべーっと舌を出してやる。
気を取り直して
周りを見ると、アジア支部の人達は
かなり珍しい物を見るような目で
私をじろじろ見た。
新顔のエクソシストだからだろうか。
少し居心地が悪くて
身じろぎする。
すると、すぐに声がした。
「やぁ、ウォーカー」
「バクさん!お久しぶりです」
アレンが挨拶した相手に
顔を向ける。
と、その人が私を見て笑顔になった。
「やあ、初めまして。
私はアジア支部支部長の
バク・チャンだ。
君が新入りエクソシスト?」
差し出された手を握って
握手を交わす。
「初めまして。
リランです、よろしくお願いします」
挨拶をすると、バクさんは
大きく頷いて
「よろしく、リラン」
と言った。
そしてリナリーに向き直る。
「リ、リ、リナリー...さん!
こ、こんにちはっ」
「こんにちは、バクさん」
バクさんの頬っぺたがほんのり赤い。
ー なんか...可愛いww
ついクスっと笑ってしまった。
「おい。ブックマンの資料はどこだ」
和やかな雰囲気をぶち壊す
神田の一声。
ー この人なんなの...
「...神田ユウ?
ブックマンの資料はこっちだ。
ラビ、君はブックマンのところへ
行ってくれ。おい、ロウファ!」
「はぁい!...あっ!!ウォーカーさん!!」
バクさんは表情を引き締めると
1人の少女に声をかけた。
少女はアレンを見て顔を輝かせている。
「こんにちは、ロウファさん。
お久しぶりです」