第3章 名前の無い少女
警戒したまま
後ずさろうとした少女は、
「大丈夫でしたか?」
アレンの声に驚き、
左側の壁に背中を押し付けた。
「そんなに警戒しないで、
私達は敵じゃないわ」
リナリーが微笑んで言うが、
少女は警戒を緩めない。
一拍置いた後、
少女は口を開いた。
「.......あなたたち、
あの化け物倒したの?」
ラビが、少女にピースしてみせた。
「そうさ~!
倒したのはあのモヤシだけどなっw」
「モヤシじゃありません、
アレンです!!!!」
すぐにアレンが突っ込むと、
朗らかな3人の様子に
少女は少しだけ警戒を解いた。
「私、リナリー・リーよ、よろしくね」
「俺、ラビさ」
「僕はアレン・ウォーカーです。」
それぞれ自己紹介をする。
「よろしくね、リナリー、ラビ、アレン」
「あなたの名前は?」
朗らかだった少女の顔が、瞬時に強ばる。
その変化に、3人は戸惑った。
「名前.......。私.....名前、無いの。」