第8章 アジア支部にて
~リランサイド~
自室に帰った私は
まだ興奮が醒めず、
ベッドにボフッと倒れ込んで
ニヤニヤしてしまう。
とても楽しかった。
ごちそうは美味しいし、
みんなと踊ったり歌ったり、
アクマとか伯爵とかノアとか、
全てを忘れて
ドンチャン騒ぎをした。
仰向けになって、
黒い天井を眺める。
ペンダントをかざして、
ふとネイを思い浮かべた。
「お母さん...ネイ...リーレノ。
私、頑張るよ。
みんなが生きていて、
愛するこの世界を守るために」
言ってから苦笑する。
ー キャラじゃないな~...。
恥ずかしく思いながら
コートを脱いだ。
壁にかけると、
リナリーに頼んで置いてもらった
姿見の前に立って、内に着ていた白い
Tシャツも脱ぐ。
クリーム色の下着以外に
身に付ける物がない私の体には、
私を痛めつけた人々による
無数の傷跡があった。
1つ1つを指でなぞる。
今までは、この傷跡も
憎悪の対象だった。
穢れた象徴だと思っていた。
「だけど、これも全部ひっくるめて
私なんだもん。
憎んでちゃダメだよね」
姿見から離れて、
クローゼットを開ける。
取り出した
薄ピンクの長袖ワンピースを
下着の上に着て
科学班のところへ行った。