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孤独を無くしたい 【D.Gray-man】

第7章 過去


「...疲れた。」

コートを脱いで椅子にかけると、
私はベッドに倒れ込んだ。


ー 初任務は最悪だったな...


自嘲する。
でも、ラビの苦しげな顔を
思い出して目を閉じた。
それに、医務室に連れて行かれたのは
ラビだけではない。
アレンも切り傷がたくさんあって
治療されている。


ー 私が、傷付けた...。


握った手に力を込める。
目頭が熱くなった。
歯を食いしばって
泣くのをこらえるが、悲しかった。



そして、久しぶりに見た
ネイの笑顔と遺体。
全てを見せつけられて、
思い出すことを強要された。



こらえるのは、もう無理だった。




「ごめん、ラビ...ごめん、アレン...
 ごめん、ネイ....ごめんなさい」




声を押し殺して30分ほど
泣いた頃。


トントントン...


部屋のドアがノックされた。
慌てて涙を拭いて、
腫れぼったいまぶたを
前髪で隠すようにしてから
返事をする。

「誰?」

「オレ。開けてくんない?」


...ラビだ。

いつも通りの明るい声だけど、
私は今ラビに会いたくなかった。

「ごめん...無理。」

「開けて?今のリランを
 1人にしておけねぇからさ」

断っても有無を言わさぬ
口調で言い返された。

ため息をつく。

私は無言でドアを開けた。
怖くてラビの顔を見れない。
ラビも無言で入ってきて
私のベッドに腰かける。

「座んないの?」


ラビが隣をポンポン叩いて私を呼んだ。

無言のまま腰かけた私を
ラビが見ているのが分かる。

沈黙が嫌で、私は口を開いた。

「傷は...どう?」

「ん?ああ、大したことねぇさ。
 こんぐらい慣れてる」

「...ごめんね。私のせいだ。」

「リランのせいじゃねぇから
 気にすんなさ」

空気が重い。


ー ホント最悪...。


心の中で盛大にため息が出た。

ラビが、後ろに手をついて
上を向いた。

「びっくりしたさ。」

そのままの姿勢で
ぽつ、と言う。

私は体が硬直した。
ラビが何について驚いたかは分かる。

「見た...の?」

声がかすれた。
ラビは答えないけど、
その無言は肯定だった。

「穢れてるよね...汚いよね...。
 私は、ずっと...」
「辛かったな。
 あんな辛い過去、ずっと
 1人で抱え込んでたんだろ?」
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