第7章 過去
~アレンサイド~
「か、神田っ?」
「え」
あっさり正気に戻った
リランに驚く。
ー 何で神田で戻ったんだ...?
疑問に思いつつ、ラビを抱き起こす。
「ラビ!ラビ!
しっかりしてください!」
腹部の傷は深そうで、
かなり出血している。
「手当てしたいけど...。
僕じゃ無理だ。」
もどかしくてまた唇を噛んだ。
その時、神田の声がした。
「おいモヤシ、てめぇこれ持ってろ」
「は?」
「きゃあああああああ!!!!」
見上げると、リランが降ってきた。
「えええええ!?リラン!?」
慌てて抱き止める。
リランはバッと顔をあげ、
神田を睨み上げた。
「何でいきなり投げるの!?
死ぬかと思った!!!!」
神田は無視してロードへ
襲いかかった。
僕は、嬉しくてリランを
ぎゅっと抱き締める。
「リラン...戻って本当に良かった」
「アレン...ごめんね。
ラビ...ラビは?」
リランは小さく謝った後、
すぐに焦った顔をした。
ー 何か物足りないなー.......。
と思いつつもラビの方へ
体を向ける。
「ラビ!ラビ!?
しっかりして!!!!」
僕はラビの体に飛び付く
リランを複雑な心境で見守った。