第7章 過去
ようやくアクマを
斬り終える。
馬鹿ウサギのいる場所へ屋根から
屋根へ一直線に走っていくと。
「何でモヤシとあいつが
戦ってんだ...?」
理解出来ない光景に目を細める。
ふと、路地の端にラビが
倒れているのが目に入った。
体の下に血が広がっているのが
分かる。
戦っているモヤシとリラン。
俺は状況を理解した。
ー あいつ、正気失ってるのか...
俺はすぐに路地へ飛び降り、
リランを片腕に抱えて屋根の
上へ飛び上がった。
「え...神田!?どうしてここに!?」
驚くモヤシの声は無視して、
暴れるリランを押さえ込む。
しかし、暴れるのをやめないリランに
イライラしてきた。
「馬鹿かてめぇ!!!!
何やってんだ!!!!」
怒鳴りつけると、
リランが暴れるのをやめ俺を
見上げた。
虚ろだった瞳が驚きに
見開かれる。
「か...神田っ?」
まぬけな声を出したリランを
間近で睨み付ける。
怯えるリランに構わず
抱えあげた。
「へっ?ちょっ、何するの?」
「何でモヤシと戦ってやがる?
ノアはどこだ?」
「僕はここだよ~♪
お前は...神田だっけ~?」
声のした方を睨むと、
ロードがふわふわ浮いていた。
斬りかかる。
しかし、ロードはさっと避けた。
追撃を食らわせると、
ロードが吹っ飛び、壁に激突する。
「神田!!!!どういうこと!?
ノアって...あいつがノアなの!?」
抱えたリランが叫んだ。
俺はモヤシを見る。
「おいモヤシ、てめぇこれ持ってろ」
「これって...私!?ちょっとか...
いやああああああああ!?」
抗議する途中で投げる。
モヤシがリランを抱き止めるのを
見届けてからロードに向き直った。