第7章 過去
~アレンサイド~
ふと気づけば、現実だった。
目の前でラビが刺され、
ゆっくり倒れていく。
リランは光の無い瞳で
僕を見る。
「つっ.......!?」
短剣を握りしめ、
突き出してくるリランに
咄嗟に反応が出来なかった。
右頬に鋭い痛みが走る。
「リラン!!目を覚ましてください!!」
距離を取りつつ
呼び掛けるが、リランは答えない。
ー ダメだ、壊れてしまった...
戻すにはどうしたらいいか
分からない。
飛びかかってくるリランを
必死でいなしながら逃げる。
しかし、本気で殺しにきている
相手を傷付けずにかわしつづけるのは
無理があった。
細かい切り傷が増える。
「リラン!!リラン!!
やめてください!!
さっきのは全て幻です!!」
リランは答えない。
無言で短剣を振るう。
ー らちが明かない.......!!!!
僕はやけくそで、
左腕を退魔の剣にコンバートした。
これなら、リランを傷付けずに
済むが.......。
解決策ではない。
もどかしい思いに、
僕は歯噛みした。