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孤独を無くしたい 【D.Gray-man】

第7章 過去


ネイを抱き締めて、
私は号泣した。

ネイがこうなったのは私のせいだった。


「ごめん...ごめん...ごめんなさい...。
 私が、ネイを...私のせいだ...!!
 ごめんなさい、ごめんなさい...」


客で一番乱暴な男。
女を死ぬまでいたぶるのが
趣味の男だった。

呼ばれたのは私だったのに。
苦痛に耐えきれず
男から逃げ出してしまった。


泣きながら訴える私を見下ろして、
激怒する男を見て、
女将は静かにネイを差し出した。


「ネイ!!!!
 女将さんごめんなさい!!
 私戻ります、戻りますから!!
 ネイはやめて!!!!」

私は女将の腕にとりすがった。
嫌がるネイを無理矢理連れていこう
とする女将は、私を睨んだ。


「逃げたのはお前さんだろ!?
 あのお客様がネイをご所望なんだ、
 お前なんかいらないよ!!」

「もう逃げません!!
 勝手でごめんなさい!!
 何でもします、ネイは許して!!」


どれだけ言っても、
結局ネイは男のオモチャにされた。


「出ていけ!!」

追い出された店の裏で、
ネイに会いたくて私は待っていた。


ー ネイは...会いに来てくれる...



裏口が開いて、顔を出したのは
女将だった。


私を見て一瞬嫌そうな顔をし、
ため息をついて
何かを放り出した。


.......それが、ネイだった。


ボロ雑巾のようになってしまった
親友を見て、私は狂った。
親友をそうさせてしまった
自分が憎かった。


死ぬ勇気のない自分が憎かった。


狂った私は当てもなく
街をさまよい、
寂しい路地に座り込んだ。



寒い冬の季節だった。
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